自由と許しは同じ言葉 ~映画:モーリタニアン~

9.11テロの関与を疑われてアメリカに拘束され、キューバのグランタナモ基地(かの悪名高き)で過酷な拷問を受けた主人公サラヒと、彼の人権を守るために闘った弁護士ナンシーを描いた実話。

まず最初、画面には「この映画は実話です」と写しだされる。

「この映画は実話を基にしています」ではない。「この映画は実話です」。と言い切っている。

サラヒは、確たる証拠もなく、起訴もされていないのに、9.11の主要人物として、14年2か月間にわたって拘留される。

ナンシーは政府に対して情報公開請求を行うが、出てくるのは黒塗りの文書ばかり。

やっとのことで見ることのできた記録の内容は、人として目を疑うばかりの過酷な拷問、そしてその結果としての供述、自白。

結果的に主人公は無罪の判決を受けるが、その後、オバマ政権は7年間も彼を拘束しつづけたとナレーションが出る。

裁判まで7年間、無罪の判決後も7年間拘留されたということになる。

それでも最後に彼は言う。「私はアメリカは正義の国だと信じていた。まさかアメリカが私を恐怖で支配するだなんて。やってもいない罪でせめられ続けた。だが許そうと思う。許したい。」

アラビア語では「自由」と「許し」は同じ言葉だ

エンドロール、実在のサラヒ当人が登場する。そう、「この映画は実話です」なのだ。

彼は満面の笑みで、ボブ・ディランの『the man in me』を歌う。これは私のことだと。